2019年2月21日木曜日

2019年2月、ヤイリさんで発見した木材

こんにちわ、折元です。
先日ヤイリギターさんに久しぶりにお邪魔してきました。
今回もトップに使用するベアクロウ材やアディロンダックスプルース、
YW-1000カスタムに使用するハカランダの合板の板取、
その他、様々な材を漁ってきました。

ベアクロウシトカスプルース
ほとんどYW-1000とYF-1000のカスタムに使用されます。どれも照りが強く、腰の強い材料です。
中にはDY-28のカスタムになるものもあり、サイドバックとの組み合わせで、キャラクターが変わります。



←この材に関してはDY-45クラスに使用されます。

←アディロンダックスプルース4Aクラス
↓ホンジュラスマホガニー(丹羽さんによる選定)
こちらはカスタムショップの丹羽さんによって、
DY-18customにしてもらいます。この材料の個性に合わせてブレーシングなどの加工を行うとのことです。
目の良く詰まった硬質で粘り気のあるホンマホ。

数少ない、ドレッドやBL、ジャンボで使用できるフレイムメイプルも数枚ゲットしました。ほとんどがBLカスタム(BL-100)になります。最近だとフローレンタインスタイルのカッタウエイにスポルテッドメイプルの口輪を採用したモデルが人気なので、おそらくそうなりいます。この中で一番良質なものがカスタムショップの道前さんによって、JY-200スタイルになる予定です。ヤイリギターの80周年記念モデルとして、道前氏が製作した、あのモンスターギターです。

 ←スポルテッドメイプルはなににするか決まっていません。

↑こちらの美しいフレイムメイプルは小振りな為、RAGのカスタムをラインで製作していただこうと思っています。全体的に白いイメージで、ヨーロピアンスタイルのパーラーを意識したモデルになります。
ひょっとすると、ブリッヂがすごいことになるかもしれません。


硬質なパオローズ。センターのサップが印象的です。
ココボロのように樹脂の多い材です。
触った感じは、インドローズやメイプルよりも重く感じます。低音の効いたダイナミックなサウンドを生み出すでしょう。DY-28 Customになる予定です。


最近、道前さんのカスタムショップでも度々登場するジリコーテ単板。強烈な木目です。もう少しおとなしめの材は下倉カスタムのDY-28でも何本か製作していただいております。小池さんもよく使われる材料です。今回はLO-130Customになる予定です。


こちらは屋久杉。目の細かい、所々ウズラ杢が見られる美しい材です。どんなモデルにするかは悩み中です。上下でトップ・バックに使用します。サイド材は丹羽さんにお任せです。



←必死に探し出した千年杉クラスの屋久杉です。
年輪が左右で2000本近くあることになります。数えていませんが、とんでもなく細かい導管です。こちらはDYのトップに使用します。サイドバックは悩んでいます。









最後は、ハワイアンコアです。2000年近辺のヤイリカタログをお持ちの方にはわかると思いますが、当時ヤイリさんは受注生産のカーリーコアモデルを推していました。
当店でも相当な数の特注品を受注しました。というのも、当時先代ヤイリ社長がハワイに赴き、相当な数のハワイアンコアを輸入したらしく、一男社長亡きあと、社長用と記されたハワイアンコアの束には丹羽さんですら手を付けなかったそうです。

数枚ですが、とてつもない大きさの板が資材管理室でシーズニングされていることに気付いた私は、さっそくカスタムショップの小池さんのもとに運びました。
小池さん曰く、「こんな材で組んだらすごいギターができるけど、金額もすごいことになるぞ」と、そそくさと木材全体にプレナーを掛けに別の部屋へ。
戻ってきてラッカーを一噴きすると、
こんなに細かいフレームが現れました。表面に凹凸がある状態では素人の私にはフレームはほとんど見えていなかったのですが、小池さんたちには余裕で見えていたそうです。
単純にセンターのサップがきれいであることと、材がでかいのとで騒いでいましたが。
ちなみに↑の画像はわざと左右上下逆様です。
実際に小池さんに持っていただきましたが、でかいです。この一本からトップとバックが出来上がります。一枚のいたからです。ブックマッチなので非常に美しい木目になります。サイド材も同じく兄弟材が数枚ありますので、1本の木から、すべてのボディー材が作られることになります。本日正式に注文しましたが、3本作っていただく予定です。
最初の1本目はシンプルに000-12フレットジョイント、スロテッドヘッド、ハカランダ天神。マーチンの000-28Kに寄せたデザインです。
残りは小池さんと相談しながら、ゴージャスなギターにしたいと思います。
なんせプロアーティストに製作している小池さんなので、いつ出来上がるかは分かりません。優先順位はどうなんでしょう。小池さんもノリノリでしたので、期待大です。

2019年1月31日木曜日

Maple Guitar 再々入荷予定 & ギターの乾燥予防

こんにちは。下倉アコースティック 折元です。
毎年恒例でぼやきますが、まー寒いこと。ヒートテックさまさまです。玄関が万年OPENですので。
うまれて初めてインフルエンザにやられました。
楽器の乾燥には気を付けて、いろいろとケアはしているのですが、自分のケアは疎かでした。
しかし、ここまで雨が降らないとどうしようもないですね。
ちなみに、新たな湿度調整アイテムが発売になっております。

こちらですね。サウンドホールカバー一体型!本体はシリコンでできています。
これだけでもホコリの侵入を防ぎ、若干消音効果もあります。
ラッカーへの影響もないそうです。
内部には特殊素材のシリカクリン。においのもとになるアンモニアを大幅に除去。
これ自体を濡らしておけば、湿度50%になるまで湿気を放出します。
乾燥によっておこるヒールの縮みにを防ぎ、ネック落ちを防止してくれます。
夏場は逆に、ボディー内部の不要な湿気を吸い取るので(50%近辺まで)楽器の膨張を防ぎ、
安定した状態を保ちます。
下倉アコースティックでも、形状が合う楽器にはほとんどに装備いています。秋口から乾燥期間は何となく
ギターの音もポテンシャル以上に良く聞こえたり
するものですが、梅雨時期や夏場のじめッとした時は何となくギターが鳴らなくなったような印象を受けます。
人工的にコントロールして、常にギターをべストの状態に近づけることが出来ると話題です。
店頭でも実感しています。
わずか¥3000程度で一石三鳥。
今まで発売されていたアイテムに比べ、目に見えて効果を実感できるのではないでしょうか。
(楽器により個体差があり、感想には個人差があります。)

冒頭で貼ったメイプルギターのバナー、お伝えしたいのは実はこちらです。
2017年の冬から開始した、下倉アコースティックオリジナルのアコギブランドですが、入荷後異常なペースで
お買い上げいただき、スタッフも考えていなかった品切れ期間が続いておりましたが、今回新たな仕様変更を
加えて、再々度入荷する事になりました。
この、ボディーボトムのエルボーコンターが印象的なアコギですね。
店頭では多くのお客様に、「どこのギターですか?」と質問されました。ヘッドからネック、ボディー淵にマホガニーでバインディングを施しています。
価格からすると考えられないコスパです。貝の装飾などはなく、シンプルなデザインですが、全体的にウッディです。
前回まではサイドバックにローズウッドを使っていましたが、ワシントン条約の問題が発生して数年、面倒なので他の材料を探していたところ、
ヤイリギターの高級モデルに使用されることもある、ボコーテ材の合板を発見。
塗装をしていない状態の画像なので、薄く見えますが、ウレタンでつや有塗装されるとキレイに木目が浮き上がります。
画像ではバックのセンターに白太と呼ばれる木材の中心部や皮目を混ぜて切り取る、サップ材が使用されています。見るからに高級感が増しました。
実は今回、マホガニーサイドバックでも注文しています。
しつこいようですが、
塗装をしていない状態の画像なので、薄く見えますが、ウレタンでつや有塗装されるとキレイに木目が浮き上がります。
これが中々高級感のあるマホガニーレッドで仕上がり、スタッフの中でも両者の好みがわかれております。
前回までの仕様で最も特筆すべきポイントは、既にお伝えしたボディー下部のエルボーコンターですが、今回からは裏板にもひと工夫くわえてあります。
分かりづらい。
真ん中にあるギターのバックの縁にもコンターがあります。エレキギターでも特にストラトキャスターにみられる加工ですが、
アコギに搭載されるのは極めてまれで、しかもこの価格帯のギターでは、他には無いといっても過言ではないでしょう。
極め付けが、ヘッド先端からネックの裏にかけて、硬質な素材を埋め込むことで、ネックの強度を増すことにしました。
ネック反り対策も文句なし。

こんな感じのギグバッグが付属します。
こちらのアコギ、入荷は2019年3月中旬。すでに店頭では予約を受け付けており、お待ち頂いているお客様もございます。
入荷時にはTwitterでお知らせする予定です。
Maple Guitars 
OM-3 販売予定価格 ¥48,000税別
top: Solid Spruce
sides & back: Bocote
neck: Sapele
scale: 650mm
nut width: 43mm

OM-3M  販売予定価格 ¥45,000税別
top: Solid Spruce
sides & back: Mahogany
neck: Sapele
scale: 650mm
nut width: 43mm
OM-3CE 販売予定価格 ¥59,800税別
top: Solid Spruce
sides & back: Bocote
neck: Sapele
scale: 650mm
nut width: 43mm
PU: Fishman presys-brend

2019年1月6日日曜日

平成最後のお正月

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
今日は1月6日、非常に寒いです。ギターの天敵、乾燥には注意しましょう。
乾燥、本当に怖いです。良く乾いている年代物ほど怖いです。
下倉アコースティックは今年からこんな湿度調整アイテムを使用しています。

テクナード社から新たに発売された、サウンドホールカバー兼用湿度調整器です。
もともと、サウンドホールをふさぐ効果というのは、エレアコのハウリングを防ぐ為という名目でしたが、自宅練習の際に大きな音を出せないという方が消音対策で使うという発想に代わっていて、本製品はシリコン製のカバーの内部に特殊な調湿材を包んだパッドが入っており、乾燥時には水分を放出し、湿気の多い時には逆に50%近辺まで湿気を吸収するという優れた機能を全部混ぜ込んいます。もちろん、これで100%問題が解決するわけではありいませんが、当店のように年中入り口が開きっぱなしのお店は様々な対策で、楽器を守っています。
Technad Moist Plus+